中学受験塾に皆勤してもうまくいかない原因(本人の問題点)

中学受験塾に皆勤してもうまくいかない原因(本人の問題点)

本人に起因する原因は、努力論だけでは片付けられない。

本人に起因する原因のひとつは、努力面の要因が挙げられます。
努力面の要因をさらに大きく分ければ、モチベーション(やる気)と勉強法のふたつに分けて考えられます。
しかし、生徒本人に起因する失敗要因は、それだけではありません。その他に能力面の要因が挙げられます。
一般に受験指導業界では努力面ばかりが取り上げられ、能力面の存在自体に気がつかないか、目を伏せられています。
おそらく「子供の能力」が低いということは保護者にも本人にも失望につながり、生徒獲得に支障が出るからだと思いますが、私は、この能力面こそが、同じ塾に行きながら進学結果に雲泥の差をつける大きな要因であろうと思います。

モチベーション(やる気)について

モチベーション(やる気)というのは、塾にとっては生徒に求める前提条件です。
多くの生徒を一手に集めて授業をする塾という立場では、やる気のある生徒しか相手にできません。
しかしやる気を維持することは、そう簡単なことではありません。
長期に渡る受験期間、長時間拘束の授業、頑張っているのに上がらない成績、クラスの降格、遊び・運動・習い事ができないストレスなどモチベーションを失う要因はいくらでもあるからです。
勉強が面白くなければなおさらです。
我が子の逃避現象に悩む保護者は少なくないはずです。

勉強法について

中学受験の場合、通常独学ではなく、どこかの塾に入塾させるというのが一般的なスタンスです。
塾の授業では膨大な知識や課題を与えられますが、それを身に付けることは生徒自身に任されています。
手取り足取り身に付ける作業まで付き合ってくれません。
したがって、ただ塾に通っているだけの生徒と効率的な勉強法を採用している生徒とは、授業の理解度という点で大きく差がついてきます。
そこで保護者はめくらめっぽう勉強法の書物を読みあさり、様々な資料を取り寄せるかもしれませんが、そこに落とし穴もあります。

勉強法の注意点

本人の能力について

学習能力について

受験において能力というと、「アタマが良いとか、悪いとか」という話になりがちです。
しかしその認識では、能力改善にはつながりません。受験に求められる能力をもっと具体的に見つめることが、改善の第一歩です。
受験において能力といえば、イコール記憶力と考えがちですが、受験においては必要なのはそれだけではありません。
もちろん学習面では高い記憶力が望まれます。
しかしそれ以外にも、授業の言葉を聞き漏らさない集中力も必要です。
さっとノートに書き取る筆記力もモノをいうかもしれません。
記憶力とは別に、習ったことを豊富な知識や経験から自分の中に吸収する力は、記憶力以上に大きな影響力があるかと思います。
このようなものを、私は学習能力と呼ぶことにします。

学習能力だけで、受験は決まらない!

しかし、受験に必要な能力は、学習能力だけではないのです。この点が多くの保護者や指導者に欠けているので、注意が必要です。
それは応用能力と仕事力です。
応用能力とは、自分の既存の知識や技術を使って未知の問題に対処する能力です。
初めて見る問題に対して自分の力を効果的に活用する能力です。

受験で大きくモノをいう仕事力

仕事力というのは、本番で間違いなく自分の力を発揮する能力です。大別すると、時間管理力、スピード、ミス防衛能力、健康維持力などに分けられます。
時間管理力というのは、スピードと混同されそうですが、私の中では分けて考えています。時間管理力は、試験の制限時間をどううまく活用していくかという能力です。
これに対して、スピードというのは問題の解答にいたる速さのことを言います。誰もできない算数の難問を解ける能力があったとしても、スピードがなければ入試には落ちてしまいます。
ミス防衛能力というのは、言うまでもないことでしょう。
取れるはずの問題を落としてしまったという経験は誰でもあるかと思いますが、注意力不足という一言で済まされているのだとしたら永久に改善はないでしょう。
実はケアレスミスというのは、何種類にも類別できます。
それに応じた対策が必要と思われます。
健康維持力というのは文字通り健康を維持することなのです。
一般的に塾のカリキュラムは、休んだりしてどこか抜け落ちてしまうと、次週の内容が極端に理解しにくくなるようになっています。
ですから、受験準備の1年ないし2年間は病気にならないことが実際は大きなポイントになってきます。
ただし、私の中では、単に健康でいるだけではなく、特に入試当日のコンディションを最高の状態に持ち込めるかどうかということもこだわりたいと思います。
例えば、入試が始まる早朝から頭脳がフルに働くかどうかということも、小さなことに感じられるかもしれませんが、毎年ご指示させていただくところです。

塾に行ってもだめなのはなぜか?(生徒起因面のまとめ)

中学受験業界はどこも「塾とは勉強や知識を教えるところであり、それを本人がどう使おうがどう吸収しようがそれは本人の問題である」と割り切っているところがあります。
すなわち、塾がやるのは知識を伝えるところまでで、その習得や活用など実際に試験で合格をつかむようになるのは、本人に任されているのです。
大量の生徒を集め、超有名校になるべく多くの生徒を入れることを命題とされる塾の立場を考えれば、それはある意味正論だと思われます。
その反面、一般的に進学塾のカリキュラムは、こうした生徒に起因する要素を考慮して作られていません。
(というか、そもそも初めから眼中にありません。)
平均的な受験生の能力と比べて、かなり高いレベルの学習能力の持ち主を前提に作られているようです。
学習能力に応じた(低いレベルの生徒にはそれなりのレベルの)教材はあるかもしれませんが、学習能力の差を埋める指導はありません。
しかし実際には、生徒個人間にいかんともしがたい能力差が存在していることは、万人が認めるところだと思います。
したがって、元々能力面で標準以下であれば、はじめから厳しい戦になることは間違いないのです。
こういった側面については、受験教育業界全体で伏せているように思えます。
おそらく「子供の能力」が低いということは保護者にも本人にも失望につながり、生徒獲得に支障が出るからだと思われますが、私は、能力面に親も子も指導者も目を向けない限り、いつまでたってもできない子供の処方箋は作られないのではないかと思っています。
現行の従来的塾システムは、元来から能力の優れた子供だけしか消化できないカリキュラムが毎年繰り返し行われ、能力のある子供だけが勝つシステムです。
現在成績不振の生徒が従来的システムで勝つには、学習能力面を含めた能力面の改善が必要不可欠です。
できる子供は、できない子供と違って言われなくても当たり前のようにやっているのですから。